東北大学病院 精神科

精神医療技術向上のための研究を志す医師の方へ

 抗精神病薬の開発、器質性病変の鑑別などの身体面の診療、認知行動療法などの精神医療技術、精神医療保健や福祉の制度改正など、精神科診療を取り巻く環境はここ数十年、大幅に進歩してきました。しかし、画像診断技術、バイオセンシング技術、網羅的生体分子解析技術や人工知能技術など情報工学領域の飛躍的発展を受け、精神医療の診断技術はこの先、その発展は加速していくものと考えられる。技術の発展と人口動態、産業構造の変化に伴い、精神医療保健や福祉のあり方も更に大きく変革して来るものと考えられます。そのような中、精神科医が10年先に今と同じような診療生活を送っているとは考え難いものがあります。精神科医一人ひとりが、新しい精神医療保健を創造していく役割を担うことで、社会はより良いものになり、精神科医はよりやりがいに充ちたキャリアを歩むことができるものと思われます。是非、キャリアの中で、大学院に進学し、精神医学研究に携わる期間を持つことをご検討ください。先々、そのまま、研究に専念する道を進むことも大歓迎ですが、研究の視点を持ちながら臨床に従事することは、臨床診療をより豊かなものにするものと思います。

 専門研修3年を終え、精神科専門医と精神保健指定の資格を取得した上で、大学院に進学する人もいますし、初期研修終了後、大学院に進学し、後で精神科専門医と精神保健指定の取得を目指す人もいます。いろいろな道がありますので、是非、ご相談ください。

精神疾患研究を志す基礎研究者の方へ

 精神疾患の病態解明や治療法開発のためには、臨床研究から得られる知見を裏打ちする基礎医学研究を行うことや、逆に基礎研究から得られた知見を臨床データに当てはめて検討することが不可欠です。そのような意味で基礎研究者に精神疾患研究に取り組んで頂くことは、精神医学にとって重要なことです。当研究室には、精神科の診療や臨床研究に取り組むメンバーと基礎研究者とが、同じ研究室で膝を突き合わせて、情報・意見の交換を行いながら、同じ方向を向いて精神医学研究に取り組む環境があります。また、東北大学はゲノム解析、メタボローム解析、神経科学研究を行う施設・機材、研究室、研究者が多く、これらのインフラを活用し、研究室・研究者と連携しながら研究を進める体制があります。当研究室では、大学院修士課程(医学修士:基本2年間)、博士課程(医学博士:基本4年間)の受け入れを行っています。研究生や留学生の受け入れも行っています。精神疾患研究に関心のある基礎研究志望の方、是非、見学にいらしてください。

精神保健向上のための研究を志すコメディカルの方へ

 精神医療保健は精神科医と臨床心理士•公認心理士、看護師、保健師、精神保健福祉士、作業療法士等、他職種のメンバーが連携を行うことで成り立っています。当研究室では、教職員や大学院生として、これらの様々な職種のメンバーが集って、地域の方の精神的健康や心理社会的諸要因に関する調査から得られる実データを元に、より有効な精神保健のあり方を検討する研究を進めています。当研究室では、大学院医学系研究科医科学専攻での医学博士、医学修士の取得を目指すコメディカルの方の受け入れを行っています。更に、当研究室では、公衆衛生学専攻での公衆衛生学修士の取得も可能です。

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