東北大学病院 精神科

2020.11.04

小松浩助教が「統合失調症における自閉スペクトラム症傾向とリカバリーとの関係におけるself-stigmaと抑うつの媒介効果」の演題で第7回(2020年度)日本精神神経学会学術総会 優秀発表賞【第116回学術総会部門】を受賞しました。

小松浩助教の下記の内容の演題「統合失調症における自閉スペクトラム症傾向とリカバリーとの関係におけるself-stigmaと抑うつの媒介効果」で第7回(2020年度)日本精神神経学会学術総会 優秀発表賞【第116回学術総会部門】を受賞しました。

Self-stigmaは、精神障がい者の自尊心、生活の質、自己効力感、治療アドヒアランスやリカバリーに負の影響を及ぼすことが知られています。我々はSelf-stigmaに影響を与える性格特性を明らかにすることにより、Self-stigmaのマネジメントに役立つ知見を得ることができると考えました。過去のメタアナリシスにより、統合失調症患者では健常者よりも、より高い自閉スペクトラム症傾向を有していることが報告されています。本研究は、127名の統合失調症スペクトラム障がい患者における自閉スペクトラム症傾向とself-stigmaとの関連を明らかにすることを目的に行いました。Self-stigmaと自閉スペクトラム症傾向は、それぞれ日本語版精神疾患の内面化スティグマ(ISMI-J)スケールと日本語版自閉症スペクトラム指数(AQ-J)をそれぞれ使用して評価しました。年齢と性別を共変量とした重回帰分析の結果、AQ-Jの合計スコアが、統合失調症スペクトラム障がい患者のISMI-Jの合計スコアの有意な予測因子であることを示しました。この研究は、統合失調症スペクトラム障がい患者の自閉スペクトラム症傾向とself-stigmaとの関連を明らかにした最初の研究です。我々の研究結果は、統合失調症スペクトラム障がい患者のself-stigmaの評価とマネジメントにおいて自閉スペクトラム症傾向を考慮することの重要性を示しています。

ページのトップへ戻る