東北大学病院 精神科

2020.05.19

2020年5月19日 高橋雄太先生の血漿中の代謝産物プロファイルからのうつ状態の機械学習予測アルゴリズム開発に関する研究論文がTranslational Psychiatry誌に掲載されました。

近年、血漿中の代謝物とうつ状態の関連を示唆する報告が多数され、うつ状態のバイオマーカーとして血漿中の代謝物が注目されています。しかし、個別の代謝物の濃度はうつ状態との関連はとても弱いため、それらの効果を効率的に組み合わせるような数理モデルの開発が期待されています。ただし、こういった数理モデルの開発には課題も多く、例えばうつ症状と代謝物や交絡因子の間には非線形の関係があること(図A)や、代謝物間には相関の関係があることも考慮に入れたモデルが必要となります。今回我々は、代謝物からのうつ症状の予測に必要な性能を兼ね備えたHSIC Lasso + SVM (KR)(図B)というモデルを開発しました。そして、東北メディカル・メガバンク計画で収集されたデータをもとに、モデルの検証を行い、他の最先端のモデルと比較して、我々のモデルがより効率的に代謝物の効果を組み合わせ、うつ状態のより多くの分散を説明できることを示しました。今回の研究成果は、うつ症状の生物学的な背景の解明や個別化医療への貢献が期待されています。

https://www.megabank.tohoku.ac.jp/news/40118
https://www.nature.com/articles/s41398-020-0831-9

ページのトップへ戻る